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2014年8月26日 (火)

作って楽しい! 遊んで楽しい! その2




山ねこ工作室の活動と言っても、メイン製作者の山ねこは会社員なので、

土日中心のゆるーいボランティア活動です。


それでも、山ねこもかりんも「ものづくり」が大好きで、「人」が大好きで、

「面白そうなこと」が大好きなので、2人でいろんなところに出没しています。


出かければ、人との出逢いもあり、繋がりも広がって、楽しい活動がどんどん広がります。




ワークショップでの活動報告はそんな楽しいエピソードを紹介するものです。


中でも私たちが大事にしているのは「依頼者からの報告紹介」です。



製作会をお手伝いするにあたり、

実際に機器類を使っている子どもたちやお母さんたちの実情や想いをご紹介し、

先生方にもより具体的にイメージしていただけると良いなぁと思うからです。



支援がうまく進まず、難航している場合は、

ご本人たちの想いよりも、支援者の想いが先行していることも多く、

視点を変えて見るとそれに気づけることも多いです。



私たちはそんな体験談も率直にお話するようにしています。


今回もとてもタイムリーな話がありました。

Rちゃんとお母さんの話です。


Rちゃんは地元の小学校の特別支援学級に通う1年生の男の子で、

肢体不自由と視覚障害があります。



私たちはRちゃんと会ったことはありません。

Rちゃんが就学前に通っていた通園施設に今も言語訓練で外来通所されています。

Rちゃん親子はその施設のSTさんからの紹介です。



Rちゃんが好きなことは「お母さんの語りかけ」や「音楽を聴くこと」です。

そんなRちゃんに何か自分で遊べるおもちゃはないかと、

ご両親が「スマホ型おもちゃ」を試されたところ、気に入ってくれたそうです。

以来、「スマホ型おもちゃ」はRちゃん愛用のおもちゃとなり、

毎日触って鳴らして遊んでいるそうです。



STさんは言語訓練
の時間にスイッチを使った遊びをいろいろ試してみるものの、

Rちゃんの「手触りの抵抗感」「形の抵抗感」「大きさの限度」などから、

Rちゃんが抵抗なく触れるスイッチがなかなか見つからない状況だったそうです。


そこで、
STさんから「『スマホ型おもちゃ』のようなスイッチはできないか?」と

相談が入ったのです。



製作するにあたり、STさんとはお母さんとの意見交換も含め、

手触り、形、大きさなど、
Rちゃんのより具体的な実状や希望を知るために、

何度も何度もメールや電話でやり取りをしました。


それらを元に山ねこが「スマホ型スイッチ」を2種類製作し、
Rちゃんに送りました。


1つのボタンには「振動モーター」を繋ぎ、押すとブルブル振動するようにしました。

ブルブル振動する刺激はRちゃんが好むか好まないかはわからないため、

そのボタンの使い始めは慎重にとコメントを添えて…。



その後、STさんからRちゃんがそのスイッチで満面の笑顔で遊んでいる動画が

送られてきました。


スイッチには「VOCA」が繋げられていて、母さんの声が入っています。

Rちゃんが大好きな絵本の中のお気に入りのせりふだそうです。



動画からは
お母さんや学校の先生やSTさんの大きな歓声も聞えてきました。

お母さんと先生の笑顔も写っていました。



お母さんからメールも届きました。

「スマホ型スイッチ、はメチャクチャお気に入りで、毎日学校で使っています。

このスイッチのおかげで嬉しいことがたくさん起こりましたよ!」

カッコイイ珍しいスイッチを持っているので、みんなが集まってきてくれるし、

持っていることがコミュニケーションの手段の一つになっていることも嬉しいです。」

……メールには学校や家での具体的なエピソードがたくさん書いてありました。



「ブルブルは普段はあまり好きではない刺激なのですが、よく触っているので、

大好きな『スマホ型』に作っていただいたことが、

苦手なブルブルを克服できたのではないかと思っています。」とも書いてありました。



そんな報告から、Rちゃんの世界がどんどん広がっていることがわかり、

とても嬉しかったです。




「スマホ型スイッチ」と出逢ったことで、

自分たち自身が「Rちゃんの持っている力」に気づかされたとSTさんも言います。



「スマホ型おもちゃ」という

「Rちゃんの受け入れやすい手触りや形にこだわった視点」は

私たちにとっても新鮮でした。



「本人が取り入れやすいものから導入していく」というのは誰もが考えることですが、

こんなにも的確なんだということをRちゃんの笑顔が証明していると痛感しました。



動画が届くたび、「スマホ型スイッチ」は「Rちゃんとまわりの人たちを繋ぐもの」として、

私たちの想像を超えて命を吹き込まれているのが伝わってきます。



Rちゃんのお母さんからまたメールが届きました。


「本人の『好き』と『知っているから安心』を引き出せたので、

『スマホ型スイッチ』も気に入って使えたのだと思います。」と。




Rちゃんの成長に伴い、次なる注文も届きました。

「スマホ型VOCA&スイッチ」です。

お母さんの手書きのイメージ図も添えてありました。


Photo  お母さんの手書きのイメージ図




嬉しい注文に山ねこもかりんもウキウキしています。

小さな「スマホ型スイッチ」が「Rちゃんの持っている力」を引き出し、

「Rちゃんの世界を広げるきっかけになった」ということを何より嬉しく思います。




私たちはものづくりに関わる時、

「支援機器」や「自助具」を「どう使うか」ではなく、

「子どもたちの能力を引き出し、どのように育んでいくか」という視点の重要性を

毎回学ばせていただいています。



子どもたちと子どもたちを取り巻く人たちとが広げていく世界、

心が豊かになっていく幸せ…。



「作る」という立場で関わることの多い私たちの心も豊かになっていく幸せ…。



「製作会のお手伝い」も「ものづくり」も
誰もが生きやすくなり

幸せになるための大事な時間なのだと私たちは思っています。



作って楽しい! 遊んで楽しい!」は「生きていて楽しい!」に繋がる…。



私たちはそう信じ、いつもそんな想いで活動しています。



余談ですが、Rちゃんが通っていた施設はかりんの元職場です。

私が勤めていた頃に通園していた子どもたちの中には30代になった人たちもいます。



年月が流れても、暮す場所が違っても、ご縁が繋がり合っていることも大きな喜びです。



いつかRちゃん親子に会える日を楽しみにして、

「スマホ型VOCA&スイッチ」の製作を楽しもうと思います。


Rちゃん親子と関わっていらっしゃる人たちの笑顔を思い浮かべながら…。

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