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2016年6月27日 (月)

コミュニケーションは双方向

1月の父の「左脳梗塞」は幸いにも、右マヒが軽症だったことと、

積極的に右手を使う父の気力と努力で順調に回復してきていましたが、

3月25日に「右脳梗塞」を再発しました。



その後、薬疹他、服薬の副作用の諸症状がいろいろ出てしまい、

体動時に上肢の使いにくさも出てしまいました。

それでも、父なりにどうすれば痛くなく、うまく使えるかを探っていました。



そんな様子をみて、諦めないで自分自身の病気に向き合っている父に、

職員さんたちも訪問リハビリやマッサージの担当者の方たちも私も励まされてきました。



それでも、辛いことは重なるもので、その後もあれこれ不調が出てしまい、

父も辛く、苦しい日々が続いています。



衰えていく体力や身体状態を受け入れていく苦悩の中にあっても

父の「自分らしく生きようとする力」に応えて、

娘として何ができるか問われ続けている毎日です。



脳梗塞の後遺症での構音障害で声が出にくかった時期もあり、

父からの発話は少なくなっています。



そんな状況でも、父は視線や表情、指差し、身振り・手振りなど

いろいろな方法で自分の意思や要求を表現してくれています。



それは、たとえ小さな動き(意思伝達のサイン)であっても、

私や職員さんたちや関係者がキャッチし、的確に対応することで、

「発話が少なくても意思が伝わる実感」を父自身が積み重ねてきたからだと思います。



父は難聴もありますが、元々、文字に書いたり、写真や実物を見せたりなど、

視覚的に情報を伝える方が認識しやすく、再確認もできるので、

私は何年も前から生活の中にそうした工夫をたくさん取り入れてきました。



そんな工夫の中のひとつが「伝達支援 絵カード」です。

居室や洗面所など必要な場所に置いてあります。


Photo  伝達支援 絵カード(居室用)



Photo_2  伝達支援 絵カード(洗面所用)



Photo_3  伝達支援 絵カード(浴室用)



この「絵カード」で使っているシンボルは「ドロップス(※)」と言って、

「ドロップレット・プロジェクトが開発、デザインしたシンボル集」の中から選んでいます。

※参照:ドロップレット・プロジェクト

http://droplet.ddo.jp/



「ドロップス」は介護の現場にはまだ浸透していないのか、

私が居室で使っていても、どなたも「ドロップス」はご存知ありませんでした。



訪問マッサージの担当者の方には、絵がとてもわかりやすくて、

他の方たちにも使えそうと言われました。

こうして「ドロップス」をご存じない分野の方たちに知っていただけると

使っている私も嬉しくなります。



余談になりますが、実は、このイラストの顔は男の子の顔として描かれていて、

使い始めた頃、父に使うには少し子どもっぽいかなと思っていました。



でも、「ドロップス」の存在を知らなかった友人のOTはこの絵を見て、「おじいさん」と言い、

「お父さんに似たイラストをよく見つけたね」と言いました。

そんな反応もなんだかとっても新鮮でした(^^)




「絵カード」は劣化を防ぐために「ラミネート加工」してあります。

以前は、選んだシンボルをA4サイズに分割印刷し、

A4サイズでラミネート加工後に分割して切り取り、角を丸く切っていました。



100円ショップで「カード&診察券サイズ」のラミネートフィルムを見つけてからは、

1枚ずつカードサイズでラミネート加工できるので、うんと楽になりました(*^^)v

ラミネート加工後に角を丸く切る作業もなくなりました(^^)


Photo_4  カード&診察券サイズのラミネートフィルム



また、この「絵カード」はホワイトボードから取り外しやすいように、

「マグネットメモクリップ」というのを使っています。

テープ式のマグネットより、少し浮くようにホワイトボードに取り付けられるので、

「絵カード」が取り外ししやすいのです。


Photo_5  マグネットメモクリップ



また、取り外した「絵カード」を戻す場所がわかるように

縮小した同じ絵をホワイトボードに貼ってあります。


Photo_6  取り外しの工夫





「ノート式のホワイトボード」は持ち運びもできて、立てて使うこともできます。


Photo_7  ノート式のホワイトボード




「リング式のクリアファイル」には伝達に必要な写真や予定を書いたものを入れて、

通院先などでも使えるようにしています。

父だけでなく、これらは母にも使っています。


Photo_8  伝達支援ノート



Photo_9  伝達支援ノートの使用例



Photo_10  伝達支援ノートの使用例



どれも、100円ショップのものですが、こういう使い勝手の良いものを見つけると

「ものづくり大好き人間」としては嬉しくなります(*^^)v



「楽チン」はものづくりには欠かせないキーワードですし、

作ったものを使う時にも「楽チン」であることは大事です(*^_^*)



訪問診療のドクターや通院先のドクターなども、

こうした伝達の工夫が父に有効なのをとても理解してくださっているので、

顔写真の撮影の依頼も快く受けてくださいます。



こうしたグッズは、元々、父と私のコミュニケーションのためのグッズでしたが、

父への有効な手立てとして、職員さんたちも積極的に使ってくださるようになりました。


Photo_11  予定掲示ボード保管場所



Photo_12  予定掲示ボード設置場所




こうして私が積み重ねてきた「絵カード」や「手書きメモ」など伝達の工夫が、

父にとっても「必要で、理解しやすい手立て」として生活の中で定着してきているからこそ、

職員さんたちや関係者の方たちも有効だと実感して使ってくださるのだと思います。



「ドロップス」のシンボルの中の笑顔のイラストを見るたび、

父との「コミュニケーション支援」として

「絵カード」や「手書きメモ」などを使い続けてきて良かったなぁと思います。



口頭伝達だけでは伝わり難いことや忘れてしまうようなことは

父が覚えておけるようにと、ある職員さんがこんな「貼り紙」をしてくださいました。


Photo_15  職員さんの手書きの貼り紙




今まで私がしてきた工夫を職員さんが真似てくださることがとても嬉しいです(*^_^*)



こうした表示をしていただけるのは、本人の実状をよく観察し、

本人がより理解しやすく、使いやすくなるために何ができるかということを

サポートする側が自分自身に問う感性があってこそだと思います。



職員さんたちと一緒にそういうことを考え合える環境にあることを嬉しく思います。



脳梗塞発症直後で、今よりことばがもっと出なかった頃に、

父は訪問介護に入ってくださった職員さんにお礼を言ったそうです。

訪問介護ノートにはそのことが書かれてありました。


Photo_14  「訪問介護ノート」の記録




どんな小さなことであっても、誰に対しても(私に対しても)

「ありがとう」とことばにすることは、父も母も昔から全く変わりません。

(父は「おおきに」と言います)



最近は「両手を合わせる」や「頭を下げる」ポーズで表わします。



そんな父や母の「ありがとう」のことばが私たちを勇気づけ、励ましてくれているのだと思います。



先日、父の入浴を介助してくださった職員さんが

「三郎さん、今日はありがとう」と言ってくださいました。



介助してくださる職員さんから父への「ありがとう」にも胸が熱くなりました。

こんなステキな職員さんたちがいることを本当に嬉しく思います。



「ありがとう」はみんなが幸せになれることばだということをあらためて感じています。



認知症があっても、自分のことを受け入れ、正しく理解してもらえることで、

父も母も安心できているのだなぁと痛感します。



「伝えようとする気持ち」と「受け止めて対応しようという気持ち」

「伝わる喜び」「伝えられる喜び」「理解できる喜び」…、

「コミュニケーションは双方向」だということを今さらながら実感している毎日です。



「双方向の良好なコミュニケーション」が「相互の安心感や信頼関係」に繋がり、

介助される人も介助する人も、安心し、楽になり、幸せになっていくのです。



父の脳梗塞発症以降、いろいろな対応に追われ、私も少し疲れが出てしまいましたが、

こうしてみなさんに支えられ、助けられ、励まされていることが癒しにもなっています。



「ありがとう」の想いとことば。

それさえあれば、人はどんな苦しい状況になっても好転していくのだと思います。



思うようにならない今の現実と闘っている父の心痛は計り知れませんが、

心のストレスは体調にも影響するので、

こうした配慮ある対応でストレスを少なくしていくことが私たちの務めだと思っています。



今日も1日の終わりに心からの「感謝の気持ち」をこめて、私も伝えたいと思います。

ありがとうございましたm(__)m

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