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2016年9月11日 (日)

水戸特別支援学校での教材・教具製作会のお手伝い

楽習セミナーの楽しい余韻の残る中、翌日(8月1日)はまた別の活動でした(^^)

夏休み恒例になった「水戸特別支援学校での教材・教具製作会のお手伝い」です。

予定が続くと頭を切り替えないといけないので、少しハードなところもありましたが、

前もって早めに準備していたことも幸いして、何とか無事に出向くことができました。



事前製作会の様子は、山ねこ工作室のブログ(7月15日付け)に書いてあります。

http://yamaneko-kousakusitu.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-aa13.html



朝8時に出向き、まずは会場の図書室で山ねこ工作室の支援機器類の展示の準備です。



製作会の準備は教材・教具係の先生方がすでに済ませていらっしゃいました。

係の先生は前年度と同じ年もあれば、ガラッと入れ替わることもありますが、

学内でしっかりと引継ぎをされているため、毎回準備万端です。

テーブルの上や物品類の準備のしかた等にも工夫や配慮がなされていて、

私はそんな気遣いにも感動してしまいます。


Photo   会場準備中


Photo_2   会場準備中




製作会は準備のしかたや進め方などで決まるとマジカルの製作講座でもよく言われますが、

製作に参加される方たちの立場に立った準備のしかたや進め方はとても大事だと思います。



山ねこ工作室の支援機器類の展示の準備も、係の先生方のサポートで無事終わりました。

今回は7月のマジカルでのブース出展直後なので、その時の気づきが生かせたと思います。

展示のしかたを整理したり、工夫したりすることでブースの印象がかなり違うと思います。


Photo_3  展示の様子


Photo_4  展示の様子


R  展示の様子


Photo_5  「ひもスイッチ」の内部構造




展示する機器類の製作者はもちろん山ねこですが、

展示のしかたや演出(笑)は私の担当です。

私はちょっとしたことにもこだわってしまうところがあるので、

山ねこは私に任せてくれるのです^_^;



午前中の製作物は「タミヤのギヤボックスを使った回転装置」で、

午後の製作物は「息なスイッチ」または「光る振動スイッチ」です。



製作の前に「ワークショップ」の時間が設けられていて、

約1時間、毎回、山ねこと私とで役割分担をしてお話させていただいています。


Photo_6  製作物の説明


Photo_7  製作物の説明


Photo_8  展示物の説明


Photo_9  脳波で動くおもちゃ(猫の耳が動く)説明中



山ねこは「山ねこ工作室の活動報告と製作物の解説と展示機器の説明」を担当し、

私は具体的な「活用事例の報告」を担当します。



「活用事例の報告」は毎回「力強いサポーター」がいて成り立っています。

今回は、Rちゃんとあきちゃんでした。2人とも大阪在住です。

動画を含め、みなさんにご報告することは事前にそれぞれのお母さんたちの了解を得ています。



1人めはRちゃんです。

Rちゃんは地元の小学校の特別支援学級に通う肢体不自由と視覚障害のあるお子さんです。

Rちゃんが使っているのは「スマホ型スイッチ」と「スマホ型スイッチ&VOCA」で、

Rちゃんが実際に使っている動画を観ていただきました。



Rちゃんとのことはこのブログでも時々報告しています。

http://yamaneko-kousakusitu.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/voca-6496.html



目が見えないため手を物に伸ばすことが難しく、

起きている時には、両手を身体の前で組み、指をモミモミと絡み合わせて遊んでいます。

指が変形するほどだそうです。



そんなRちゃんに何か楽しめるおもちゃはないかというところから始まった

お母さんと担当のSTさんたちの取り組みでした。



ご両親が見つけた「スマホ型のおもちゃ(ボタンを押すと音楽や音が流れるもの)」が

Rちゃんのお気に入りのおもちゃになったことから、Rちゃんが抵抗なく触れる

「スマホ型のおもちゃ」のような手触りや形のスイッチ依頼へと繋がったのです。



「本人が取り入れやすいものから導入していく視点」は誰もが考えることだと思いますが、

こんなにも的確なんだということは、動画の中のRちゃんの笑顔が証明しています。



Rちゃんの成長と笑顔が私たちまわりの大人を突き動かし、

Rちゃんに成長させてもらっているのだと思います。



2人めはあきちゃんです。

あきちゃんは重度の知的障害を合わせ持つ自閉症の大人の女性です。

いわゆる「音声言語」はありません。



友人でもあるあきちゃんのお母さんから幼児期のエピソードを聞くと、

当時、友人がどれほど大変な想いで毎日を過ごしてきたか…胸が詰まります。



それでも、療育を受け、友人自身が積み重ねてきたたくさんの学びを

あきちゃんとの日常生活の関わりの中で実践し続けてきたからこそ、

今のあきちゃんはipadやPECSを使ったコミュニケーションを重ね、

コミュニケーションの楽しさをどんどん広げているのです。



友人がそんなあきちゃんに「あったらいいな」と探していたのが

「1メッセージの薄型のVOCA」でした。

山ねこは今までいろんな素材や大きさの「ミニVOCA」を作ってきていますが、

友人に大絶賛されたのが「名刺ケース型ミニVOCA」でした。



「VOCA」は「音声によるコミュニケーションが困難な人のための携帯用会話補助装置」なので、

殆どの方たちはご本人の音声言語の代替メッセージを録音して使われていると思います。


でも、友人の発想は違っていました。

友人が「1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.終わり」と録音したものを

あきちゃんは「カウンター」として使っているのです。



あきちゃんが実際に使っている動画を観ていただきました。

動画を観るとあきちゃんが生活の中で「カウンター」をうまく使っていることがわかります。



それはもちろん、友人がこれまで試行錯誤しながらも、

あきちゃんが理解しやすく、行動しやすいようにいろいろな工夫をしてきたことの

積み重ねがあるからです。

詳しくは、以前、このブログでも報告しています。

http://yamaneko-kousakusitu.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/voca-7ec0.html





Rちゃんやあきちゃんだけでなく、他の方たちの活用事例を通して、

私たちは「支援機器」や「自助具」を「どう使うか」ではなく、

「子どもたちの能力をどのように育んでいくか」という視点の重要性を毎回学んでいます。



  
子どもたちと子どもたちを取り巻く人たちとが広げていく世界、心が豊かになっていく幸せ。



「作る」という立場で関わることの多い私たちの心も豊かになります。



子どもたちに何かを提供したいという視点だけではなく、

自分も子どもたちと一緒に楽しみたい、喜びを共感したいという視点もとても大事です。

特に「使わせたい」という想いだけが先行していると

子どもたちとの想いのずれに気づかないことも多いように思います。

子どもたちが「楽しくって、使いたくなる」という発想が大事なのだと思います。



Rちゃんやあきちゃんが楽しく使っているのは、

それぞれのお母さんや関わっている人たちの発想や遊び心が豊かだからです。



私たちの情報収集・情報提供・道具づくりは、誰もが生きやすくなるために

「笑顔で、楽しく、明るい暮らし」に繋がるお手伝いをすることです。



製作会の前のワークショップでは、毎年、このようなお話をしています。

毎年続けて参加されている方たちは繰り返し聴いていただくことになる内容です^_^;



製作会でその日の題材となる教材を作るお手伝いをする時にも、

実際にその教材をお使いになる児童・生徒さんたちの笑顔を思い浮かべながら

参加者のみなさんと「楽しい」「おもしろい」を共感し合いたいのです。



電子工作は難しいところもありますが、製作過程でも楽しめた方が

のちの児童・生徒さんたちとの楽しい時間に繋がっていくのではないかと思います。



高熱の半田ゴテを使った半田付け作業があるので、

やけどなどしないように真剣に作業しなくてはなりませんが、

製作が無事進行し、完成した喜びを共感し合い、

時には大きな歓声が上がる瞬間が私は大好きです(*^_^*)

私が歓声を上げていることも多いですが…^_^;



当日の製作の様子は以下の写真をご覧ください。


Photo_10  製作会の様子と展示コーナー


Photo_11  製作会の様子


Photo_12  製作会の様子


Photo_13  製作会の様子



今回、製作した「タミヤのギヤボックスを使った回転装置」は

先生方が使い方を考え、実際にどんなふうに使ったかを

後日報告していただけることになっています。



この課題は今年度の教材・教具係の先生からの提案でした。

私たちもそれに共感しました。

ワークショップの最後にいつもお伝えしているメッセージにも繋がることだからです。


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私たちにとって、「現場からの報告」は「大きな励み」になります。


学校での活動を私たちにも教えてください!


子どもたちとの「楽しい」「おもしろい」を私たちにも共感させてください!


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9月に入り、新学期が始まりました。

どんな報告が届くか、今からワクワクしています(^^♪



今日の報告は製作会そのものより、ワークショップ中心の報告になりました。



水戸特別支援学校の校長先生はじめ、教材・教具係の先生方、

製作会に参加された先生方、サポートしてくださった先生方、

楽しい時間を本当にありがとうございました。

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