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2018年5月23日 (水)

道具との出逢い(嬉しい報告から)

山ねこ工作室では依頼を受けてスイッチ等の支援機器や自助具を作っています。



山ねこも私も、元々「ものづくり」が好きだったところに、

マジカルトイボックスやATACなどでの出逢いの中で、

教えていただいた情報と共に、学んできたこともたくさんあります。



そうした学びが私たちの「ものづくり」の視点・原点となっていることが

大きな支えでもあります。



依頼を受けて製作したものは依頼者の元にわたりますが、

スイッチ類や改造おもちゃなどはいろいろ保管しています。

ホームページには掲載していませんが…(^-^;



そんな機器類を「展示・体験」する場を依頼されることもあります。



毎年、水戸特別支援学校で依頼を受け、お手伝いしている製作会では、

展示・体験など、ワークショップも組まれています。



昨年は「福祉のえん日」で出逢ったご縁で、

9月に「かけはしねっと」さん企画のセミナーの依頼を受け、

展示・体験会もさせていただきました。



かけはしねっと

https://www.facebook.com/20161120Kakehashi/



Photo_7   入力支援機器の展示・体験会のチラシ


Photo   ワークショップの様子


Photo_2   ワークショップの様子


Photo_3   ワークショップで紹介したもの
Photo_4   展示・体験会で展示したもの
Photo_5   展示・体験会で展示したもの



8ヶ月も前の話ですが、最近、その日のことが話題になりました。

そのセミナーと展示・体験会に参加されていたお母さんからの話です。

その日の様子を振りかえってみたいと思います。



特別支援学校に通っている肢体不自由のお子さん(Tちゃん)と共に、

ご夫婦で参加されていました。



Tちゃんが幼児期に、地元の子育て支援活動で関わりのあった親子なので、

何年ぶりかでの再会でもありました。



就学されてからお会いすることも殆どなくなっていたので、再会した時はビックリしました。



Tちゃんは学校でもスイッチ教材は使われているそうですが、

Tちゃんが実際に使っているのを見るのは初めてでした。



Tちゃんはスイッチを操作し、おもちゃが動くと大喜びし、

まわりの人たちが「すごい!すごい!」と褒めると、

Tちゃんはますます嬉しくなって、

キャーキャーと笑い声を響かせてスイッチを操作していました。



Tちゃんにとって自分自身で動かせる喜びはもちろんですが、

まわりの人たちの歓声や称賛が彼のモチベーションをあげているのが

その場にいておもしろいくらいに伝わってきました。



やっぱり、褒められたり、認められたりすることで、

子どもたちの意欲は高まるんですよね。



一緒にいて、私も思わず大きな笑い声を立てて笑っていました。



その日から7ヶ月経った今年の4月、

東京で開かれたキッズフェスタで、またそのご家族と再会しました。



会場ではTちゃんが賑やかな笑い声を立てて、試乗の車いすで歩いていました。

Tちゃんはお母さんたちに褒められて嬉しそうでした。



幼児期は過敏さがあったTちゃんなので、

お母さん以外の人だと緊張して、動きにくいところがありました。



お母さんたちは生活の中で、Tちゃんの緊張感をほぐし、

リラックスして楽しく過ごせるような工夫をたくさん積み重ねてこられたのでしょう。



最高の笑顔のTちゃんに再会できて本当に嬉しかったです。



その時、私たちは「嬉しい報告」をいただきました。



9月の展示・体験会で、彼がスイッチに出逢った後、

お父さんとTちゃんとの「チャンネル争い」が始まったというのです。



Tちゃんは今までテレビのリモコンを触ることはなかったそうで、

特に、興味ももたなかったようです。



Tちゃんは、9月の展示・体験会でのスイッチとの出逢いがきっかけで、

「リモコンがテレビの操作ができるもの」とわかり、

リモコンをほしがるようになったようです。



お父さんは「まさか、息子とチャンネル争いをするような日が来るとは思いもしなかった」と

しみじみおっしゃっていました。



Tちゃんは受け身的なコミュニケーションも多かったことが予想できるだけに、

「お父さんとのチャンネル争い」というエピソードの報告には、

山ねこも私も感動しました。



この話を今年の夏の水戸特別支援学校でのワークショップで紹介しても良いかと

お母さんに確認したらOKをいただきました。

「どんどん伝えてください」と。



長くなりますが、この話には続きがあります。



お母さんから「うんこボタン」というものを紹介していただきました。

https://www.switch-science.com/catalog/3800/



日々のエピソードも添えてくださったので、それも含めて、ご紹介します。



Tちゃんは機嫌が良い時は、

オムツを引っ張って排泄の意思表示をしてくれるそうですが、

機嫌が悪いとただ泣いているだけだそうです。



そんな時はお母さんがTちゃんに排泄確認をし、

にこっと笑って応えてくれる(YESのサイン)時にトイレに連れていき、

排泄が終わったら、水洗ボタンはTちゃんが押すそうです。



「うんこボタン」はリビングに置いてあり、

お母さんが「できたね!」と褒めてあげると、Tちゃんが「うんこボタン」を押すそうです。



オムツにしてしまった時には押さないそうで、

「トイレで排泄したらシールを貼る」という

いわゆる「ご褒美シール」のような使い方だそうです。



この「うんこボタン」は排泄記録としてデータ化されますが、

お母さんは排泄記録というよりも、

Tちゃんとのコミュニケーションツールとして使っているそうです。



こうした機器を生活の中に取り入れ、使っていく時、

このお母さんのような発想はいいなと思いました。



Tちゃんの自発的な意思表示がより明確になり、

Tちゃんの成長と生活力に繋がっていくと嬉しいです。



ホームページの記事によると、

2つのボタンには他の名前を割り当てることができ、用途に応用が利くようです。



私はこの機器の存在を知りませんでしたが、使い方次第で、いろいろ使えそうです。



それにしてもリアルな名称の機器ですね(^-^;

でも、それがまた何とも言えず、いいなぁと思います(*^^*)



この「うんこボタン」は昨年12月末に始まったクラウドファンデングによって

製品化されたようです。

https://www.makuake.com/project/unkobtn/


動画も紹介されています。

https://bouncy.news/13366



私の療育施設在勤時代(30年以上前)、

クラスの子どもたちの排泄記録はトイレの壁に貼った記録用紙に

毎回、手書きしていました。



オムツをしている子どもたちにもトイレでの排泄を促し、

排泄した時に記録していました。

そんな日々の排泄記録から排尿間隔の目安がわかり、

よりタイムリーな排泄誘導に繋がり、子どもたちの快適な生活にも繋がっていきました。



実は、私は昨年まで両親の排泄や食事等の記録をとっていました。

もちろん、手書きです(^-^;

カレンダーに記録することで、実情が私だけでなく、職員さんたちにも一目瞭然で、

すごく役立っていました。



そんな私のアナログな生活を振り返ると

「うんこボタン」のような道具は私には画期的なものです。



育児の精神的負担の軽減が元々の開発のきっかけのようですが、

排泄記録だけでなく、いろんな立場の方たちが使って、

より良いものになっていくといいなぁと思います。



現代は、いろんな道具がちまたにあふれています。



そんな道具に、どんなふうに出逢い、どんなふうに使われていくか、

道具に出逢う時の「感度」や「センス」や「発想の豊かさ」によって

道具そのものの利点が向上することもあります。



道具との出逢いによって、子どもたちに限らず、

使う人たちの生活が豊かになり、幸せにつながっていきます。



残念ながら、逆もあり…ということもあります。



私たちは自分自身の「感度」や「センス」を磨き、より高めていくために、

いろんな方たちと出逢っていきたいと思います。



素敵な親子のエピソートをこうしてご紹介できることも嬉しいです。

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