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2018年10月23日 (火)

母を想う

母を見送って、約1年(10月2日)が経ちました。

父が呼んだのか、父を追ったのか…真相はわかりませんが、

父の死(7月2日)からたった3ヶ月後の他界でした。



父を見送った後の3か月間の母の様子はブログに書きました。

両親を見送って想う ~「自分らしく生きる」ということ~(2017年12月30日)

http://yamaneko-kousakusitu.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/post-c2fa.html



H館の職員さんたちには「仲のいいご夫婦」とよく言われていました。



若い頃は気難しい父の対応に苦慮し、不満や愚痴を言っていた母ですし、

父も母も伝え方が不器用なために、お互いの想いがかみ合わないことも多く、

両親の仲介をすることも多かった私としては、

「仲のいいご夫婦」と言われることは嬉しかったものの、

「昔はいろいろありました…」という想いもありました(^-^;



それでも、H館での両親の日常生活を傍でみていると、

2人は想い合っているのだなぁと感じさせられることは多かったです。




母がパステル教室で描いた絵や生き活き学級でやったプリントを

「お父ちゃんに見せる」と言って居室に持ち帰った時、

父は起きていると、それらを見て、笑顔で褒めていました。



Photo_6   母の描いたパステル画 (2015年5月)



母が不調の時には、父が優しく声をかけてくれました。



20162   母に声をかける父 (2016年2月)



父が不調でベッドで休んでいる時には、

母はデイルームから時々居室に戻って、父に声をかけてくれることも多かったです。



Photo   父を見舞う母 (2016年6月)



デイ通所中、父はレクなどの活動に参加することはなかったですが、

母がやっているのを優しいまなざしで見守ってくれていました。



Photo_2  母の活動を見守る父 (2016年10月)




父が訪問介護を受けているのを見ている時には、母は決まって、

「いつもお父ちゃんのお世話をしてくれてありがとう。

私がやらなあかんことやのに、ありがとう。」と職員さんにお礼を言っていました。



こんなふうに、両親の微笑ましいエピソードは書ききれないくらいあります。





今は「終活」ということばも一般的になっていますが、

母はそんなことばを使うことなく、

老後の生活、延命治療、葬儀、お墓のことなど…、

H館に入居する前は、折につけ、自分の考えを私に伝え続けていました。


母はどんなことでも書き記す人でもあったので、そうしたことを書いたものを見せられ、

「生きているうちに伝えておかなければ意味がない」とよく言っていました。




私が山ねこと結婚して早々、

淳子には伝えてあるけど、山ねこにも伝えておかないといけない…と言って、

母は、山ねこにも自分の考えを伝えていました。



山ねこは少し困惑していたようですが、母らしいなぁと思いました。



父と共にH館に入居することを決めたのも、母でした。



父もまた、母の意思だけでなく、自分の意思で、

夫婦が安心して暮らせる「終の棲家」として、

信頼し、安心できる職員さんがいるH館を選びました。




Photo_3


   両親と私たちが一番信頼し、大好きだった職員さんと母 (2014年4月)





人生の長さは誰にもわかりませんが、

どう生きるかを自分自身に問い、

「幸せな未来に繋がる今」を生きるために何をすればいいか…。



母は自分の老後のことを私に伝え続ける中で、

自分自身の生き方、言い換えると「命の終い方」を考えていたのかも知れません。



両親が水戸に転居後、アパート生活していた頃(約10年前)、

母に教えてもらった歌があります。



手紙~親愛なる子供たちへ

http://www.utagoekissa.com/tegamishinainarukodomotachihe.html



YouTube動画

https://www.youtube.com/watch?v=55EjDYHlMHc




この歌を知った当時は、父も母もそれほど老化は進んでいませんでしたが、

老化が進むたび、この歌詞に重なることが増えました。



私が子どもだった時に、両親に助けられ、支えてもらったように

父にも母にも、その恩返しができるといいのかなと思えて、

私なりの関わりができたのは、この歌にも支えられていたからかも知れません。




両親がお世話になっていた訪問診療所では、

毎年「Annual meeting」というイベントが開かれています。




両親の生前は家族として参加していましたが、他界後は一般市民として参加しています。



今年は10月6日でした。

今回は「事前指示書(※)」についての講演もありました。



  ※事前指示書

    将来、意思表示をする能力を失った時に備えて、

    終末期医療に関する意思を他者へ伝えるために事前に書いておくもの。




終末期医療に関する意思表示というと、老化が進み、

終末期を身近に感じるようになった時の意思表示のイメージがありましたが、

講演の中で印象に残ったことは、

「亡くなるのは必ずしも高齢になってからというわけではないので、

年齢に関係なく、必要と感じた時に書いておく」ということでした。



また、自分自身のためだけでなく、

「残される家族や関係者のためのものでもある」という話も印象に残りました。





母は「終活」ということば同様、

「事前指示書」というものがあることを知っていたわけではないけれど、

H館に入居後、いろんなことが起きるたび、

母が若い頃から私に伝えていたことは、私の判断に繋がっていました。



状況によっては多少判断に迷うこともありましたが、

迷う時ほど、母が私に伝えてくれていたことが「最終判断の決め手」でした。



母が認知症になってからは、、母に確認できにくい内容もありましたが、

できるだけ理解しやすいように伝えて、確認してきました。



「私の考えはちゃんと伝えてある。あとは淳子に任せる。」と言うのが母の意思表示でした。



そんな母の考え方を知っている遠くに住んでいる弟にも

「お姉ちゃんの判断で良い、任せる」と言ってもらえていました。



認知症であっても、最期まで、母が私を娘として認識し続けてくれたのは、

「自分が伝えてきたことをわかってくれている」という私への信頼が

母の心の中にあったからかも知れません。



母の穏やかで、優しい微笑みを浮かべたような永眠の瞬間を思い出すと

最期の最期まで「自分らしく生き続けることを支えてもらえた幸せ」を

母は感じてくれていたのかなぁとあらためて思います。



私が最後までぶれずにいられたのは、母のおかけです。



母の若い頃からの意思表示が明確で、具体的だったことで、

私たち家族も、たくさんの関係者の方たちと共に、

「自分らしく生きることを支える介護」ができたのだと思っています。



両親がお互いを想い合い、最期まで仲良く過ごし、

お互いが引き合うかのように、穏やかに命を終えることができたのも、

たくさんの関係者の方たちと共に、より良い介護ができたからだと思います。



短い期間に両親が亡くなり、今も寂しい気持ちはありますが、

父同様、母とも亡くなる瞬間までずっと一緒に過ごせたことで、

私の心はどこか、少し落ち着いているところがあります。



部屋に飾った笑顔あふれる両親の写真をみるたび、

今も、両親に見守られながら生きていることに幸せを感じます。



両親の介護は終わったけれど、私の介護への想いは続いています。



むしろ、介護を含めた私たちの老後の生活への意識が深まっています。



両親の願いは、私たちが前向きに生きることだと思い、

私も自分の病気や障害ともうまくつき合いながら、

心身状態の維持を意識して毎日を過ごしています。




両親のように、少しでも、穏やかで幸せな最期を過ごし、命を終えられることを願って…。



そのためにも、これからも、

日々の何気ないことにも心から感謝し、

ささやかなことにも幸せを感じながら暮らしていきたいなぁと思っています。



Photo_4   


   散歩の途中で「シャボン玉」を楽しむ母 (2013年7月)




Photo_6   母と外気浴 (2016年11月)


Photo_2   デイのノートから(2017年2月)


Photo_3   デイのノートから(2017年2月)


Photo_4   デイのノートから(2017年2月)


Photo_5   大好きだった「パステル教室」 (2017年6月)


Photo   お気に入りの散歩コース (2017年6月)



928


   ベッド臥床が続いたので、屋外に出て、軽運動でリフレッシュ

    (2017年9月28日 永眠の4日前)




介護中に撮りためた写真はいっぱいあります。

両親と積み重ねてきた歴史の記録でもあるので、

私たちのこれからの生き方の道しるべとして、少し整理し、まとめてみようと思っています。

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