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2019年2月の2件の記事

2019年2月22日 (金)

「マイク型音声スイッチ」のその後

私たちがいろいろなところで「支援機器の製作会」のお手伝いをするようになって、

13年が経ちました。



スタートのきっかけはマジカルトイボックスのイベントに初めて参加したことでした。



言い換えると、2002年にマジカルトイボックスのイベントに参加しなければ、

今のように製作会をお手伝いするような生活には繋がらなかったかも知れません。




依頼者の方がいて、依頼者の方や関係者の方たちと共に、

自助具や支援機器など、ものづくりをしてきた私たちにとって、

製作会のお手伝いは新たな楽しみとして年月の積み重ねの中で息づいてきました。



このブログでも何度も紹介し、長年のおつき合いになるのは水戸特別支援学校です。



昨年の製作会でみなさんと作ったものは「マイク型音声スイッチ」です。


Photo   スイッチの動作確認中


これは「音センサー」を仕込んだスイッチで、いろいろな形があると思いますが、

「マイク型」にしたことが「おもしろい」「楽しい」を引き出すことに繋がったかなと

私たちとしては思っています(自画自賛)。



2018年度 水戸特別支援学校での教材・教具製作会のお手伝い
 
http://yamaneko-kousakusitu.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/2018-7b99.html




現場からは「マイク型音声スイッチ」の活用報告はなかなか届かず、

残念に思っていたところ、ある先生から報告が届きました。

写真はありませんが、ご了承を得たので、報告メールをご紹介します。





ここから--------------------------------------------------------------------




モーツアルトの音楽をウォークマンで流したものを「マイク型音声スイッチ」で拾い 、

扇風機や明かりがつくおもちゃを反応させました。



曲の盛り上がりに応じて、扇風機が回ったり、明かりがつくようにして、

「音と光」「音と風」を同時に感じることを学習しています。




(1)マイク型音声スイッチの活用法を思いつくまで


教材の活用を模索している時は

児童のどこか音が出ているところがないかを探しました。

良いところが見つからなかったので、DVDでNHKのみんなのうたを見ながら

私がマイクで歌って扇風機を回して 声に合わせて風を感じる活動を実施していました。



そのうちプレイヤーのスピーカーからの音を直接拾えないかと思い、

マイクをスピーカーにあててみると

曲の盛り上がりで、扇風機の回るタイミングが変わるのが面白いことに気がついて、

今回の活動に結び付きました。



(2)曲選びは?



一般的にモーツアルトは情緒を安定させる作用があると言われているので、

教員が選びました。

周波数とか細かいことはわかりませんが、実験して確認されていることのようです。



曲は 季節感を出すために、クリスマスに変えてみたりしています。

効果音として風の音や雨の音を使用することもあります。



(3) 学習の意味合い



風の音や雨の音など、室内では聞くことができない音があります。

その音を風と同時に聞くことで、皮膚で感じることができます。

教師が意図する音が何なのかを生徒が感じやすくなるのではないか?と

仮説を立てて実施しています。



追加として…



おもちゃをランプにして見ました。

曲に合わせて点滅するのも楽しいと思って眺めていましたが、

生徒によっては発作を誘発するおそれがあるため、現在は授業では使っていません。



キーボードのスピーカー音を拾って、扇風機を回すことはやってみました。


-------------------------------------------------------------------ここまで



使っているのは重度のお子さんとのことです。



「マイク型音声スイッチ」というと、

「子どもたちの声を入力して使う」「発声を促す」と考える方も多いかも知れませんが、

音楽や音を入力させて光や風に繋げられたことが、とてもおもしろいなぁと思いました。



先生がご本人の好きなことを知っておられて、

「ご本人の心地よい、嬉しい、楽しい」に繋がるステキな関わりだと思います。




今は、受動的な使い方かも知れませんが、

私たちは、何事も「ご本人の心地よい、嬉しい、楽しい」から始まると思っているので、

主体的な使い方に繋がっていく未来を感じました。




この「マイク型音声スイッチ」、

実は、1月のマジカルトイボックスのイベントの日に持参し、

「山ねこ工作室からのお年玉」として「交流会の景品」に加えていただきました。




参加者全員のくじ引きでは見事に外れてしまい、持ち帰ることになるかと思っていたら、

スタッフの方に当たりました(ホッ!!)



当たった方からは「今、ちょうどほしいと思っていたもの」と喜んでいただき、

とても嬉しくなりました。




その後、嬉しいことに報告が届きました。

ご了承を得たので、ご紹介します。



ここから--------------------------------------------------------------------


本校は知的障害の特別支援学校です。



生徒の中に「緊張すると言葉に詰まる」「発音が不明瞭な時がある」「音読が苦手」という

生徒がおります。



しゃべり出しは比較的はっきり聞こえるのですが、

数文字後は何を言っているか聞き取りにくいのです。



無理矢理文字に起こすとすると、

朝の挨拶が「おはよ *#$&%*+¥ ます」っていう感じで聞こえます。



そんな生徒の自立活動の授業で、

いただいた「マイク型音声スイッチ」と

ミラーボール(マジカルで製作したもの)のおもちゃを繋いで発声の練習をしています。



しっかり話せているときは、ミラーボールがちゃんと光りますが、

*#$&%*+¥の部分は全く感知しないので

本人もしっかり話せているか否かが、視覚的に分かるようです。



ミラーボールが光らないときは、何度も何度も言い直し、

正しい発声、発音の練習をしています。



とても効果的で、ここのところ、あのマイクを持った時には

とても上手に発声することができてきています。

効果てきめんです。

本当にありがとうございます。



この生徒の発声の練習は、昨年まで聾学校で勤務していた先生が担当しており、

自立活動の時間に毎日行っているものです。



その先生から、「本人が自分がちゃんと発声できているか

目に見えてわかるといいな」という声は以前から聞いておりました。



聾学校には「発音・発声をチェックする機器」があるのですが、

知的の本校には当然ないので・・・なんとかならないかなと私自身考えていたところでした。



あのスイッチをいただいたのが、ちょうどそんな時でしたので

1月の授業から早速その先生に依頼して使ってもらうことにしたのです。



最初は100円ショップの扇風機につないだのですが、

ちゃんと発声できていなくても簡単に反応してしまうので、

もう少し負荷のかかるもので、しかも見栄えがよいものはないかな…と色々試してみて、

ミラーボールにたどりつきました。



本人もとても意欲を持って取り組んでおりますので、今後も授業で継続していく予定です。


--------------------------------------------------------------------ここまで



写真はありませんが、情景が目に浮かぶようです。



前述のお子さんとはまた違った使い方ですが、

「ご本人の心地よい、嬉しい、楽しい」に繋がるステキな関わりということが

共通していると思います。

しかも、このお子さんは「意欲」にも繋がっています。



依頼者の方からの依頼で作ったものではなく、

製作会の題材として作ったものであっても、

作ったものが「楽しいもの」「役立つもの」として息づいていることをご報告いただくと

嬉しいです。




実は、この「マイク型音声スイッチ」にはまだ後日談があります。



マジカルトイボックスの自己紹介タイムで、山ねこが紹介した後、

「わけてほしい」と懇願された参加者(Yさん)がいらっしゃいました。



Yさんの地元での活動のお話を伺い、

「タイムリーに、今、使ってみたいお子さんがいる」との熱い想いもあり、

お譲り(実費でご購入)しました。



その後、北海道の笹野さんから連絡がありました。



笹野さんは今回のマジカルトイボックスの製作講座で大変お世話になった講師の方です。



笹野さんはYさんから「地元で量産してほしいとの依頼」を受けて、

「マイク型音声スイッチの製作会」を開くことになったそうで、

山ねこ工作室宛に「コピー製作」OKかどうかの問い合わせでした。



山ねこがOKのご返答をすると、嬉しいことに、写真付きで、

ステキな「リニューアルバージョン」の情報をいただきました。



Photo_2  


     3Dプリンターで作成したスペーサー(笹野さんより写真提供)




笹野さんの「回路と電池全体をマイクロフォン内に収納できないか」という話は

山ねこも考えていました(未実施のまま)。




笹野さんと山ねこのやり取りを見ていると、

ものづくりの達人の会話だなぁと、私も楽しくなってしまいます(*^^*)




製作できない私ですが、それが実現したら嬉しいなと思っていたところ、

今日、笹野さんから写真が届きました。


1
    

   回路と電池全体をマイクロフォン内に収納(笹野さんより写真提供)





北海道で「リニューアルバージョンのマイク型音声スイッチ」が

子どもたちの「楽しい」や「できる」に広がっていくんだと思うとワクワクします。



それにしても、100均ショップの店員さんたちは、

「おもちゃのマイク」の大人買いが起きる現象を不思議に思っているだろうなぁ…。

でも、それもまた楽しいですよね(*^^*)




ちなみに「マイク型音声スイッチ」を作るために購入される場合は、

「ダイソー」の「ステージマイク」が良いですよ。


Photo_3 ステージマイク


Photo_4  マイクのヘッド部分を開いた写真


Photo_5  ステージマイク の内部




他のお店のはマイクのヘッド部分が開けないため、使いにくいらしく、

山ねこの判断は「ダイソー」の「ステージマイク」が適しているとのでした。

マイクのスイッチのON/OFF部分が本物のような仕様になっているのも良いです!!




最後に、

昨年の水戸特別支援学校での製作会の時に作った「製作手順書」を紹介しておきます。



http://www.magicaltoybox.org/kinta/download/microphone_manual/



以下は、山ねこからの補足説明です。


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1.ケース(セリア)

 トレーディングカードケース 2P (45枚用)



2.ステージマイク(ダイソー)



3.サウンドセンサーモジュール 5個セット


(HiLetgoR サウンドセンサーモジュール声検出声コントロールスイッチ)
https://www.amazon.co.jp/HiLetgoR-5個セット-サウンドセンサーモジュール声検出声コントロールスイッチ-並行輸入品/dp/B0116IZ3AQ/ref=nav_ya_signin?ie=UTF8&qid=1547720362&sr=8-1&keywords=%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AB&



4.スペーサー

 発砲塩ビの板ですが、サウンドセンサーモジュールを マイクの中心に固定できれば、

 材質、固定方法は問いません。



10.スライドスイッチ

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-02627/


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100均ショップの商品は、ものによっては販売中止になったり、

仕様が変わったりするものがありますが、

今のところ、マイクに関しては同じタイプのものがまだ売られています。



ご興味のある方は、ぜひ作ってみてください(^^)v



そして、もっともっと「製作や活用事例の情報交換」ができるといいなと思っています。

2019年2月 7日 (木)

今年も、やっぱり「楽しいマジカルトイボックス」から始動(^^)

2月に入ってしまったけれど、備忘録として書いておこうと思います(^-^;



山ねこ工作室の2019年初の活動は

1月5~6日、マジカルトイボックスのイベント参加でした。



   第47回マジカルトイボックスイベント

   http://magicaltoybox.org/mtb/wp-content/uploads/2018/10/mtb2019-1event.pdf




2002年から私たちの毎年恒例参加行事(笑)になっているので、

今年も参加できて良かったです。



講演は金森克浩さんによる「視線入力装置入門」でした。

「入門」となっていますが、金森さんは前置きとして、

初心者向けというより、すでに「視線入力装置」を知っている人や使っている人が

「導入方法と留意点」など「重要な基本」を再確認することであるとおっしゃっいました。



山ねこ工作室でも、視線入力を体験したいという希望や依頼が増えています。



紹介&体験の際には、導入時の留意点や姿勢への配慮や設定の仕方など

重要性を伝えているつもりですが、浸透していきにくいところも感じています。



みなさんに後日談を伺うと、使用されているモニター画面が小さかったり、

姿勢への配慮や設定の仕方が不的確だったりするせいなのか、

「うまくいかなかった」という話が出て、とても残念に思います。



でも、そんな現状は、私たちがまだまだよくわかっているとは言えず、

「充分伝達できていない」からだと反省しています。

何事も最初からうまくいくとは限らないとは言え、

「良いもの」であっても「重要な基本」をしっかり押さえて対応しないと、

こうしたことが起きてしまうのだと思います。



そういう意味でも、金森さんの前置きを心に留めて、お話を聴きました。

金森さんのお話はもちろん、その後の外山さんや谷本さんからも、

支援者側の対応の重要性が具体的に伝えられました。



配布された資料はここには掲載できませんが、

「kintaのブログ」の中で触れられているので、紹介しておきます。




   マジカルトイボックス第47回イベント無事終了しました。

   http://www.magicaltoybox.org/kinta/2019/01/07/18469/



「視線入力装置」の体験タイムでは、

講演前に参加者に問いかけられた人たち(①~③)を混成した班で、

班ごとに準備されているパソコン等を使って、設定を含めた体験実習をしました。


    ① 視線入力装置の未経験の人

    ② 視線入力装置を体験したことがあるがよくわからない人

    ③ 視線入力装置をサポートしている人(わかっている人)



ちなみに、山ねこも私も②なので、別の班になりました。



私の班にはiPadが準備されていました。


iPadでも視線入力ができるとは知らなかったので、

まず、私はそれに戸惑ってしまいました(@_@)



そのiPadはWindowsパソコンのように使えるようにしてあるとのことでした。



その方法を学び、対応できるようになるのは私の力量外のことなので、

「iPadがWindowsパソコンのように使えるようにできる」ということを知っただけでも、

私には大きな学びでした(*^^*)



Windowsパソコンのように使えるようになっていたiPadとは言え、

画面は小さいし、固定するスタンドなども準備されていないので、

箱を積み上げて高さを調整したりして、

視線入力の体験をする前の設定段階でいろいろ難航しました。


Photo_13   「視線入力装置」の体験タイム


Photo_14   「視線入力装置」の体験タイム



同じ班の方たちと一緒に試行錯誤しながら視線入力の体験実習をした後は、

意見交換の時間があり、設定のしかたや導入の際の留意点など、

体験実習を通じて感じたことをお互いに出し合いました。



お使いになるご本人に提供する場面で、支援者が設定に難航してしまうと、

ご本人に「うまくできない」「難しい」「楽しくない」というような

ご自身への不全感を感じさせてしまう可能性があるということをあらためて痛感しました。



まわりを見ると、パソッテル(ノートパソコンスタンド)や

モニター画面の大きいノートパソコンが準備されていた班もありました。



他の班の体験実習の様子や意見交換の内容はわかりませんが、

班によって、準備されているものが違っていたのも、

体験実習での実体験を通じて、「導入方法と留意点」などに気づいたり、学んだり、

再確認したりする時間だったのかなと思いました。



ご本人たちに使っていただく前に、

支援者が何度も実際に使ってみて、時には失敗体験をする中で、

留意点をより明確化して、対応策を熟知して導入していけると、

ご本人たちに無用な不全感を感じさせることなく、

楽しい実感やもっとやってみたいという想いを持っていただけると思います。



これは「視線入力装置」に限らず、

スイッチ等支援機器類を導入、提供する時にも共通することだと思います。

私たちのスタンスを振り返る体験実習ができて良かったです。



製作講座は、

「iPadをスイッチでコントロールするためのBluetooth SwitchBox」の製作でした。



製作講座も「視線入力装置」の体験実習と同じ班だったため、

今回、初めて山ねこと別々のテーブルでした(T_T)



私は右目が弱視の上、緑内障で視野欠損もあるため、

視覚の左右差が激しく、微細な電子工作ができません。



そのため、2002年以降ずっと参加していると言っても、

私の製作物の電子工作部分は、山ねこにやってもらっています。



そんな実情なので、とても不安な中、製作時間が始まりましたが、

同じ班の大井さんにサポートしていただきながら、

何と何年かぶりに、私1人で「抵抗3本だけ」を半田付けしました。

昨年買った「ハズキルーペ」はかなり役立ちました(^^)v


Photo_15   半田付け作業中


Photo_16   半田付けしたもの



残りの半田付け作業はできないため、別班の山ねこのところに持って行き、

最終的には、私の分も、山ねこに仕上げてもらいました(^-^;


Photo_17  大満足の笑顔でピース!


Photo_18   山ねこと動作確認中



私の製作講座は、全ての作業を自分一人でやることが目標ではなく、

そんな部分的な作業であっても、達成感を感じられる時間になっています。



今回は特に、抵抗3本だけの半田付け作業ができたので、

いつも以上の達成感を感じて、とても嬉しかったです(*^^*)



その後の「スイッチインターフェース活用講座」では、

自分の作ったものを使って楽しく演習をすることができました。


Photo_19   スイッチインターフェイスの勉強中



製作講座での達成感や満足感が楽しい演習にも繋がっていたように思います。



夜は待ちに待った(笑)交流タイムでした。

参加者全員が1分程度の自己紹介をした後、くじ引きを楽しみました。



今回はスタッフの方たちの自己紹介もあったので、とても嬉しかったです。



1分程度であっても、それぞれ個性が出ます。

講演や製作講座だけでなく、参加者のみなさんのお話を聴ける時間は楽しいです。



その後の懇親会では、その自己紹介の交流タイムからの流れで、

いろいろな方たちと語り合うことができました。


4_2   懇親会


Photo_20   懇親会



マジカルトイボックスのイベントは、初めて参加した当初から、

交流タイムが組まれているのが、私たちにとっては最大の魅力です。

特に、みなさん、全国各地から参加されているので、

話題もいろいろ出て、おしゃべり好きの私には楽しい時間です。



お話を伺って、新たに遊びに行きたいところも見つかりました(*^^*)



2日めは「自由製作」でしたが、私は製作はしないので、

前夜に続いて、情報収集・情報交換の時間にしました。



自然と「ものづくり」好きの人たちが集まってくる状況だったので、

会話の内容についていけないところはあっても、

「ものづくり談義」は私にとって楽しい時間です。

お話されている方たちの楽しさが伝わってくるからです。


Photo_21

      大井さん作成の振動クッションをお借りして空気圧センサースイッチの説明中



Photo_22   人気者のお2人



やっぱり、マジカルトイボックスは楽しいです!



製作講座で製作しない私ですが、マジカルトイボックスの世界が大好きです。

ずっと元気でいられたら、また参加したいなと思います。

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